インコさんの飼い方
家にお迎えした初日~10日の過ごし方
インコさんを初めて家に連れて帰る時から、インコさんが疲れたりストレスを感じたりしないように配慮をしましょう。
冬の場合は、カイロなどで十分に保温してあげてください。
家に着いたら先にセッティングしておいたケージにインコさんを入れて、インコさんが環境になれるように今持ってあげましょう。
― お迎え初日 ―
1)じろじろ見たり、構いすぎない
インコさんは知らない場所へ来て緊張状態が続き、疲れています。じっと見たり構ったりすることはせず、できるだけ静かな環境でしばらく1羽にして静かに過ごさせます。
2)ごはんはこれまでと同じものを
最初の数日間は、環境に慣れるまでそれまでと同じものを・同じ回数であげましょう。
急にごはんを変えてしまうと、食べなくなってしまうこともあります。
3)これまでと同じ環境、生活習慣に
これまでの生活から環境が激変してしまうとインコさんの負担になり、ストレスになります。
それまでの生活環境を前の飼い主に確認し、しばらくは同じ設定にしてあげましょう。
・温度、湿度
・寝かせる時間
― 2~3日目 ―
やさしく声かけ、名前を呼びかける
新しい環境にまだ慣れず、緊張状態が続いている時期です。
スキンシップを取るには少し早いですが、飼い主と認識してもらうためにも時々声をかけたり名前を読んだりしてあげましょう。
落ち着いているようでしたらケージの外に出しても良いですが、大声を出したり捕まえたりせず、ストレスを与えないように注意しながら接していきます。
― 4~5日目 ―
触れ合うときは笑顔で
少しずつ慣れてきたら、スキンシップの手始めにおやつを手であげてみましょう。
その際は笑顔で、インコの緊張感や恐怖心を和らげるようにしてあげてください。
― 7~10日目 ―
体調の変化に要注意
インコさんは野生の本能から体調が悪くても弱みを見せまいとします。
慣れてくると具合が悪そうな様子を見せることはありますが、飼い始めて間もないころは特によく観察し体調が悪そうだったらすぐ受診をしてください。
早めに動物病院で検診するようにし、不明点などは先生にもご相談しておきましょう。
お迎えして1週間程度したら一度定期検診へ連れて行くと安心です。
特に先住のインコさんがいる場合、感染症のリスクがあります。
◎鳥を診られる病院は案外少ないです。
行きつけの動物病院を作っておきましょう。
少々遠くても適切な初志を受けられる病院が良いです。近隣で鳥を飼っている方がいらっしゃったらその方におすすめの病院を聞いてみるのもよいでしょう。
ケージを開けてインコさんが自ら外に出てきたらおやつをあげて、ケージの外が楽しい場所であることを教えます。
ケージに戻すときもわしづかみにして無理やり入れるなどせずに、指に止まらせた状態でそっとケージ内の止まり木などに止まらせてあげましょう。
ケージに戻った時にもおやつをあげるとケージに戻ると良いことがあると覚えてくれてスムーズに戻る様になります。
◎手に慣れさせると、受診や投薬の時にも役立ちます。
インコさんの1日のお世話
インコさんは人間と同じく日が出たら置き、日が沈んだら寝るという昼行性です。
お世話で特に大切なのは、日照時間の調整です。
飼い主の都合で夜更かしをさせたりするとホルモンバランスが崩れ、病気の原因となります。
朝夕は特に活発に動く時間帯なので一緒に遊び、規則正し生活リズムをとって健康的に暮らせるようにしてあげましょう。
◎ケージの掃除
・インコさんと人間とが衛生的で快適に暮らせるように、ケージ周りは毎日掃除しましょう。ケージの下に敷いた紙は放っておくとフンや脂粉が溜まり舞い上がるため、非常に不衛生になります。ケージの片付けの際には抜けた羽根の量やフンの状態などもチェックしてあげるといいでしょう。
(月に1回はケージ全体をばらして洗剤を使わずに洗い、可能であれば熱湯消毒をして乾かしてから組み立ててあげましょう)
・水の入れ替え、食事の入れ替え
毎日欠かさずやってあげましょう。
◎放鳥前に危険がないかチェック
室内はインコさんにとって危険なことやものがたくさんあります。
室内飾り、アクセサリー、観葉植物などは片付けておきましょう。
またコンセントは感電の危険性があるためカバーをします。
そして外に逃げたりしないように、扉をちゃんと閉めているかも必ず確認してください。
◎放し飼いはダメ!
1日中インコの動きを見ていることは不可能なので、インコの放し飼いは非常に危険です。
インコが部屋=ケージ、ケージ=巣箱と勘違いしてしまうとケージに入れると発情してしまうこともあります。
遊びの時間以外はケージで飼うようにしましょう。
※1日のスケジュールイラスト
部屋の温度、湿度設定
インコさんにとって湿度と温度の管理はとても重要です。
それは一定の温度と湿度を保つことを言っているのではありません。
大切なのは、過保護にしすぎず季節によって変化のある温度・湿度を保つことです。
神経質になり過ぎず、インコさんの様子を見てあげましょう。
【温度の管理】
〇暑いとき
暑い時期、気温が高い室内にケージを置いておくとインコさんが熱中症になる危険性があります。
ケージ全体に日差しが当たる場所で日光浴をさせている場合でも熱中症になる子もいます。
日光浴をする際は日陰も作ってあげましょう。
そしてインコさんが暑がっている様子が見られた時は、涼しい場所に移すか室温を下げるなどで調整してあげましょう。
※暑がっているインコさんのイラスト
○寒いとき
インコさんは暑い国が原産国である場合が多く、暑さには割と多いのですが逆に寒さにとても弱いです。
人間にとって快適だと思っている温度でもインコさんには寒く感じられることもあります。
寒がっていたら専用のヒーターで温めてあげてください。
また飼っているインコが何度くらいになると寒がるのか、温度計をチェックしていると良いでしょう。
◎インコさんに寒さは対敵
インコさんは寒いとき全身の羽根をふくらませます。
それは羽毛の間に空気をため込んで体温が下がらないようにするためです。
体温が下がると免疫力も落ちて体調を崩しやすくなります。
体温を維持するためにエネルギーを消耗するためさらに弱ると言う悪循環になります。
寒がったらすぐに温めてあげましょう。
しかし神経質になる必要はありません。
病気や高齢・ヒナのインコさんの冷えには注意してあげましょう。
※寒がっているインコさんのイラスト
【湿度の管理】
インコさんにとって快適な湿度は60%ぐらいです。
しかしずっとこの湿度を保っていると卵を産んでしまうインコさんもいます。
季節に伴って夏は湿度が高めで、冬は乾燥気味でも良いです。
ただし、さし餌中のヒナや幼鳥は温度と共に湿度も一定に保ちます。
日光浴をしよう
インコさんは太陽の光を浴びて日光浴をすることで、体内にビタミンD3を合成します。
ビタミンD3が欠乏すると「カルシウム欠乏症」や「クル病」、「骨粗鬆症」などの一員となってしまいます。
日光浴をする際はガラス越しだと効果がないので、ガラス戸は開けて日光浴をさせましょう。
その際に網戸の閉め忘れなどによって逃がしてしまわない様に要注意です。
ケージで日光浴をする際、ケージ全体に直接日光が当たると熱中症をおこす危険性があります。
必ず日陰を作ってあげるようにしましょう。
また、カラスや猫などの外的に狙われないよう網戸に鍵をつけたり、目を離さない様にしてください。
ビタミンD3はカルシウムの吸収率を高めるため、カルシウム欠乏症などを引き起こす一因にもなり得ます。
水浴びをしよう
水浴びには体の汚れを落とし、ストレス発散をさせる効果があります。
○水浴びのポイント
週に1~2回程度、専用の水浴びケースに水を入れてケージの中や、遊びのスペースに置いてあげましょう。
いくら寒い時期であってもお湯で水浴びをさせてはいけません。
インコさんの羽根の表面は防水や保温のために皮脂で覆われています。
お湯を使ってしまうと皮脂が落ち、体調を崩す場合もあります。
水浴びが嫌いな子は・・・
無理に水浴びをさせる必要はありません、霧吹きをインコさんの上に向けて噴射して浴びさせると喜ぶ子もいるので試してみてはいかがでしょうか。
日々の健康のチェック
インコさんには弱っていても捕食されないために病気を隠すと言う習性があります。
日ごろからしっかり健康状況を観察し、いつもの様子が違うと感じたら病院を受診しましょう。
・顔回り
【目】
□目が赤くないか
□目の周りが張れていないか
【鼻】
□鼻孔のまわりが汚れていないか
【口・くちばし】
□口の周りが汚れていないか
□口の中に粘りがないか
□くちばしが伸びていないか
【耳】
耳孔のまわりが汚れていないか
・体
【羽】
□羽毛が抜けていないか
□以前と羽の色が違うような気がしないか
□よく羽を膨らませていないか
【全身・おなか】
□体が丸くなってきていないか(肥満の疑い)
□おなかがふくれていないか
【爪】
□爪が伸びていないか
□爪の下に出血していないか(爪が黒く見える)
・フン
□便が水っぽくないか
□便の色がいつもと違っていないか
□便の尿酸部分(白い所)が黄色や緑になっていないか
・その他
□吐いていないか
□くしゃみやせきをしていないか
□口を開けて呼吸をしていないか
□うずくまってじっとしていないか(寝てばかりいないか)
□いつもより歌ったりしゃべったりしなくなっていないか
□ご飯を食べているか
・体重はできるだけ毎日量りましょう
できるだけ毎日決まった時間に体重をはかるようにしましょう。
小さなキッチンスケールなどに乗せるだけで体重が量れます。
毎日量ることで体重の変動によって体調の変化にも気づくことができます。
また病院にかかった際に診察材料としても有効です。
季節ごとの健康管理
【春】
日中は暖かくても夜が冷え込むこともあります。
ペットヒーターなどを利用して急激な温度の変化がないようにしましょう。
また冬が明けて窓を開放的にすることも増えてくると思いますが、逃してしまわないように気を付けましょう。
【夏】
気温が高い夏はケージ内の食べ残しの青菜やフンも腐敗しやすくなります。
こまめに片づけて、水の入れ替えもまめにしてあげましょう。
またエアコンの替えが直接当たらない位置にケージを設置し、熱中症にならない様にしながらも冷房の設定は30度程度を目安にしましょう。
【秋】
冬に向けてだんだんと寒くなってくる時期なので、気温に注意です。
早めにペットヒーターなどの保温器具を用意しておきましょう。
【冬】
インコさんにとって冬は最も体調を崩しやすい季節と言えます。
ペットヒーターと温度計を用いて今度管理を行いましょう。
そして年末年始忙しい時期であってもインコさんの生活リズムは変えないようにしてあげましょう。
お留守番が必要なとき
○インコさんの留守番は1泊2日が限度
短期間でのお出かけの場合、環境の変化に弱いインコさんは家の慣れたケージでお留守番をさせた方がいい場合が多いです。
ごはんや水を多めにして環境を整えてあげましょう。
2泊以上するときは知人やペットシッター、家族などに1日1回お世話をお願いするようにしましょう、病院やペットホテルに預ける方法もありますが、神経質な性格から環境が変わることで食事をしなくなったり毛引きしたりすることもありますのでよくよく検討されてください。
1日試しに預けてみるのも手でしょう。
【お留守番ポイント】
1) エアコンはONに
インコは温度の上下に対応するのが苦手なのですが、留守中は気温などの環境の変化に対応ができません。
できるだけ快適な環境で過ごせるように、温度設定をしてエアコンをつけてあげる様にしてあげましょう。
2) ごはんは多めに
ごはんや水は容器に多めに入れて、ケージ内で何か所かに分けておきましょう。
1か所でこぼれても対応できるようにするためです。
3) フン切り網ははずす
もしごはんがこぼれてフン切り網の下にこぼれてしまったら、インコさんはごはんが食べられずに飢え死にしてしまいます。
こぼれても拾って食べられるように、フン切り網は外しておきましょう。
4) カバーはかけない
家族がいないとパニックを起こしてしまう子もいます。
夜中に周囲が見えずパニックを起こして暴れ、ケージにぶつかって出血してしまうこともあります。
夜でも薄明かり得過ごせるようにカバーはかけずダウンライトなどをつけたままにしましょう。
5) ラジオなどをつけて行く
聞きなれた家族の声や生活音などがない静かな状態が続くと、インコさんは不安を感じます。
ラジオなどを小さく流して生活音のようにしてあげると安心します。
※あくまでも一例ですので、個体差はあります。
【インコさんを預ける時・・・】
ペットホテルや病院が安心ですが、施設の環境によって感染症が持ち込まれている場所である可能性もあります。
どのような環境で預かってもらえるのか、条件はあるのかなども確認しましょう。
またできるだけ環境を変えない方がいいため、家で過ごしているいつものケージのままで預かってもらうようにしましょう。
ペットホテルや預かってくれる病院には限りがあるため、外泊が決まったらすぐに押さえる方が良いかと思われます。
【インコさんと移動する時・・・】
体のサイズにあったキャリーケースにいれて、中には普段食べているごはんを入れてあげます。
水分は野菜や果物から摂らせてあげます。
寒いときにはカイロで保温をしてください。
移動手段はできるだけ短時間で、負担の少ない方法を選ぶようにしましょう。
電車や新幹線での移動は空調に注意し、直風が当たらないようにします。
そして、車両は禁煙車両を選びましょう。